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"書く力"を育てる

こんにちは、東大阪市瓢箪山ある個別塾アーガス進学会東大阪校(学びスタジオ)の奥川悦弘です。
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自分の言いたいことを、文書にして正確に伝えることは、難しいですね。
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今日は、"書く力"について書いてみます。
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書く力は、年齢に応じた発達段階があり、それぞれの段階を経て、ステップアップしていきます。
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❤︎小学生で学んでほしい文章力は、
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自分が目で見て体験したことを記録したり、想像力を働かせて自分の頭の中で考えた物語を作り上げたりする力です。
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まず、
小学生の低学年では、
日常的な出来事を紹介する力を身につけます。
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たとえば、
夏休みのある一日の出来事を
「4月4日の日曜日に花園公園へ桜を見に行きました。それから、近所のファミレスでご飯を食べました。桜はきれいでした」という感じで、複数の場面を、接続詞を使って切り替えたり、感想を加えたりして書くことです。
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小学校も高学年では、
自分が体験していないテーマを想像して書くことを求められます。
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たとえば
広島、長崎など、厳しい戦禍に見舞われたはるか昔の時代まで思いを馳せることができるようになります。
自分から少し離れたテーマも文章で書けるようになります。
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❤︎中学生で学んでほしい文章力は、
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見聞きしたことを紹介する紹介文・物語文から、自分の頭で考えたことを説明する説明文が書けるようになります。
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登場人物のいる、目に見える世界から、登場人物のいない、言葉の世界になるわけです。
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❤︎高校生で学んでほしい文章力は、
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自分の考えをわかりやすく整理して読者に示す、大学の論文につながる論説文の基礎も学びます。
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さらにその中で、
「これは自分の主張である」
「これは他の人の意見の引用である」
と区別して書くことも意識する必要が出てきます。
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"文章を書くのが苦手"という子どもは、発達段階のどこでつまずいているのか見直してみると、苦手が解消できると思います。
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❤︎大学や社会に出てからも役に立つ文章力とは、
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❤︎大学で必要になるのが「アカデミック・ジャパニーズ」
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大学は、論文の書き方を学ぶ場です。そして学術的な文章には、論理的で正確であることが求められます。
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アカデミック・ジャパニーズは、
論文を書くための、論理的で正確な日本語です。
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自分の先入観や、偏ったものの見方や考え方から意見を言うのではなく、
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アカデミックな文章では、
自分の固定観念を超えて、自分が調べた資料やデータを根拠として、一定のルールに基づいて、自分の頭で考えて実証的に書くことが求められます。
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大学では、このように根拠に基づいて実証的に語ることを徹底的にトレーニングする場です。
それを形にしたものが、論文・レポートです。
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❤︎社会人で必要になるのが"ビジネス・ジャパニーズ"
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論理的で正確なことも大事ですが、それ以上にわかりやすく、スピード感を持って読めることが重要です。
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社会では、
具体的な読み手を想定して読み手がどれくらいの知識や理解力を持っているかを想像し、その読み手に対してどれだけポイントをおさえて伝えられるかが重視されます。
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たとえば、
社内での引継ぎや取引先との連絡といった、仕事上のコミュニケーションは、簡潔でわかりやすくまとまっている方が喜ばれます。
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そして、イラストや図を使った企画書や、ポスター、広告なども、見た相手にすぐに伝わった方が、企画書が通りやすくなったり、お客さんに興味を持ってもらえたりと、成果に結びつきやすくなります。
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つまり、
このわかりやすくポイントを伝えられる力は、社会人に、職種であっても求められる能力です。
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❤︎”一生役に立つ文章力”を身につけるとは、このアカデミック・ジャパニーズとビジネス・ジャパニーズを使いこなせること
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受験に必要になる小論文で問われるのは、その場の発想力と表現力であり、時間をかけて丹念に論理を積み重ねる論文の入り口になります。
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そこで、大学に入って何をしたいのか、さらには社会に出て何をしたいのかを考え、そのための文章力を身につけることが大切です。
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中学校や高校で学んでいることは、
将来必要になるアカデミック・ジャパニーズとビジネス・ジャパニーズという2つにつながっています。
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これらを意識しながら文章を書くトレーニングをすれば、得るものは非常に大きいと思います。
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❤︎小論文が課される目的を考えることが大切
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大学入試の小論文で問われるのは、
大学は研究者養成機関でもありますから、
自分の頭で考え、説得力のある意見を適切な言葉で述べるという大学の学び方に適しているかが問われます。
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一方、
大学は学部によっては、看護、医療といった専門職養成機関でもあります。
こうした学部では、特定の職業に対する適性をはかるために小論文が課されます。
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つまり、
アカデミックな考え方や書き方を見る目的と、
職業的な適性を見る目的という、
大きく分けて2つの目的があるということです。
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❤︎実際に小論文を書く時のコツ
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出題者の立場に立って考えることです。
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小論文のテーマの予測というのはなかなか難しいものですが、過去問を見ていくとある程度、傾向がわかってきます。
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出題者の立場に立って、「自分なら次はどんな問題を出すかな」と考えて分析してみます。
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このように他者の視線を意識することは、小論文だけではなく、文章全般を書く時にとても役立つことです。
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入学者の選抜は、高校から大学、大学から社会というように、卒業後の進路を見据えて行われます。
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卒業後、その次のステージで何をやりたいのかを問うために小論文が課されていることが理解できれば、出題者の意図するポイントが見えやすくなるはずです。
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❤︎中高生が”書く力”を鍛えるためにできるポイント
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書く力は、とにかく書かなければ鍛えられません。
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そのため、
「書いてみたい」という動機づけが重要です。
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まず「書いてみたい」という状況を作るためには、”書きたくなるテーマを見つける””読んでほしい相手を見つける”という2つのポイントを押さえる必要があります。
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❶”書きたくなるテーマを見つける”ために
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文章のテーマは、まず”私”に関わる身近な対象に設定するのがよいと考えます。
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なぜなら、自分に興味のない人間はいないからです。いかに”私”に身近なテーマを設定するかが重要です。
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アカデミックな文章では”私は~”とは書きませんから、最終的には”無私”のレベルに到達するのが目標になりますが、文章力を鍛えるきっかけとして、最初は”私”から始めて、徐々に”私”から離れる抽象的なテーマに取り組むのがよいと思います。
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❷「読んでほしい相手を見つける」
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中高生ですと、クラスメイトや部活・塾などの仲間、先輩や後輩などが身近な相手がいいです。
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明確な読み手がいると、どう表現したら伝わりやすいかがイメージしやすくなるからです。そうした身近な読み手への伝え方の工夫を積み重ねることで、日常的なやりとりでも文章力は鍛えられていきます。
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そして、書きたいテーマと同様に、”私”と身近な読み手から始めて、だんだん”私”から離れていき、読み手を増やしていくことを意識してみてください。
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❤︎理解語彙と使用語彙
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理解語彙とは、文章を読んでいて、辞書をひかなくても意味がわかる語彙です。
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一方、
使用語彙とは、自分の頭の中から取り出して、頭の中に浮かんだ考えを適切に表現できる語彙です。
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この2つは基本的に違います。文章を書くために使用語彙を増やすことが大切です。
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文章をたくさん読む人は、理解語彙は豊富になりますが、書くためには使用語彙が必要になります。
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読書量と語彙力の関係は、必ずしも比例するとは限らないことになります。
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❤︎使用語彙を増やすためにできること
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❶使用語彙を増やして表現力を高めるには、ジャンルを意識することが大事です。
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使用語彙を増やしたいなら、自分が書きたいジャンルのものを読むことです。
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❷自分が書くことを前提として文章を読むことです。
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書くことを頭の中で常にシミュレーションしながら読むことができると、理解語彙が使用語彙に少しずつ変わっていきます。
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表現力を磨いて文章力を高めたいという時には、積極的に書く場を持つことが必要です。
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❤︎中高生が”書く”機会を増やすためには
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とくに中高生は書く場が不足しているので、自分なりの発信する場を作ってほしいと思います。
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そういう意味では、FacebookやInstagram、TwitterなどSNSで発信することもよい機会になります。
自分の書いたものが多くの人の目に触れ、「自分の言いたかったことが正しく理解してもらえなかった」という経験を積むことで、「伝え方を変えてみよう」「こう表現した方がわかりやすいかな?」と、読み手に伝わりやすい文章を意識して書く練習ができます。
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また「いいね」やコメントなどのフィードバックがあることで、書き続けるモチベーションが上がるきっかけになります。
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❤書いた文章は1人で推敲せず、より多くの人に読んでもらうことが大切
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文章を書く時にいちばんよくないのは、ひとりよがりの文章になってしまうことです。
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文章を書くとき、うまく書こうと思わず、まずは自分の書きたいこと、考えていることを書いてみてください。
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慣れてきたら、一歩進んで、読み手が読みたいと思うことを書いてみましょう。”書くこと”はコミュニケーションの一つです。
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自分が書きたいと思っていることと、読み手が読みたいと思っていることは常にせめぎ合いです。
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ですから、文章力を鍛えるには、読み手の読みたいことに合わせて、書き手の書きたいことを設計することが大事です。
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"小論文が受験で必要だから"と義務として文章を書いても、いきいきとしたものになりません。
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中高生のみなさんには、まず自分が何を書きたいことを大切にして、そして読み手である出題者を面白がらせるつもりで、"文章を書くこと"を学んでいってほしいと思います。