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ピグマリオン効果の誤解と"親バカ"のすすめ

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ピグマリオン効果は、

"成績が伸びると教師が思い込むと、その生徒の成績が実際に伸びる"という効果をいいます。

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"親が子供に期待すれば子供はそれに応えてくれる"

育児にも応用できるとされています。

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今日は、ピグマリオン効果について書きます。

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❤︎ローゼンタール博士のピグマリオン効果実験

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ハーバード大のローゼンタール博士は、次のような実験をしました。

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特殊なテストを生徒に実施し「今後知能が伸びる生徒のリスト」を作成して、担任の先生にそのリストを渡しました。

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しかし、実施した特殊なテストとは、実は単なるIQテストであり、作成された「今後知能が伸びる生徒のリスト」はランダムに選ばれた生徒の名前を載せたものに過ぎませんでした。

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ところが、

8か月後に再度IQテストを実施すると、

「今後知能が伸びる生徒のリスト」に記載された生徒のIQは、記載されなかったその他の生徒よりも大きく伸びていたのです。

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❤︎ピグマリオン効果を生むのは先生の無意識的な行動バイアス

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ピグマリオン効果の実験では、

子どもの行動が顕著に変化した事実はほとんど確認されていません。

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この選ばれた生徒のIQが大きく伸びた原因は、

「知能が伸びるとされる生徒の扱いを先生が無意識に変えたため」としています。

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これは言ってみれば、

先生が有望と思い込んだ生徒を無意識のうちに"えこひいき"した結果である、ということです。

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実際、

人間の認知や行動に、思い込みによる無意識下でのバイアス(かたより)がかかることは非常によく知られています。

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例えば、

小麦粉を「よく効く薬である」と言われて飲んだ患者に実際に症状の改善が認められる(プラセボ効果)……

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❤︎2組の同じねずみ

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ローゼンタール博士は、

別にこんな実験もしています。

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2組の実験者のグループに、

それぞれ"賢いネズミ"と"のろまなネズミ"を与え、

ネズミが迷路をクリアするまでの時間を測定させました。

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すると、

実際はそれらのネズミには何の違いもなかったにも関わらず、

"賢いネズミ"と聞かされた実験者達のネズミは、"のろまなネズミ"と聞かされた実験者のネズミよりも速く迷路をクリアするという結果になりました。

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❤︎実験した人の先入観が効果をもたらした

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人間の期待をネズミは理解できないので、

この実験結果は、

"賢いネズミ""のろまなネズミ"という事実ではない先入観によって、

実験する人のネズミに対する扱いが変わり、

実験結果に影響したと考えられます。

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このような先入観が

無意識なバイアスを生んで実験結果を歪めてしまう"実験者効果"の表れです。

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つまり、

ピグマリオン効果を生みだしているのは、

"期待によって子供の行動が変化したため"ではなく、

"思い込みによって生じる先生側の無意識的な行動バイアス"なのです。

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❤︎"えこひいき"する先生の方がピグマリオン効果が大きい

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実際、

ピグマリオン効果の研究では、

特別な生徒とそうでない生徒の間の扱いの差が大きい先生、

つまり"えこひいき"する先生ほど、大きなピグマリオン効果を生みやすいということが報告されています。

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えこひいきの内容は、

"特別な生徒"に向けられるより暖かい社会情動的空気

"特別な生徒"に対するインプットの増加

"特別な生徒"へ与えるアウトプット機会の増加

"特別な生徒"への特別なフィードバック傾向……

です。

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特別な生徒が、学力上昇するのは当然ですね。

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❤︎誤解したピグマリオン効果は危険

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従って、

ピグマリオン効果を

"親が期待すると、子どもがその期待に応えるよう努力する効果"と考えるのは間違いです。

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もちろん子どもが期待に応えてくれることだって、無いわけではないのでしょうが・・・

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この誤解したピグマリオン効果を信じこんで育児に利用しようとすると、悲しい結果を招く可能性があります。

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親がいかに子どもに期待しているか、

それを伝えようと一生懸命になる。

時に現状の不満足を子どもにぶつける、

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しかし、

子どもが常に求めているのは、

親の期待ではなく、現在の自分、ありのままの自分への親からの愛、肯定なのです。

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結果、子どもの自己肯定感を低下を招きます。

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だから、

ピグマリオン効果そのものを子育ての中で生かすのは難しいです。

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❤︎ピグマリオン効果の研究結果が教えてくれること

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❤︎常にポジティブに子供をサポートすることの大切さ

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"子供を過大評価しながらサポートしておけば失敗の可能性が低い"ということです。

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親は子どもが、"できる子"だったとしたら必要なサポートを、真実はともかく提供してあげることです。

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仮にその"できる子"という推測が正しければ、必要なサポートをうけて子供が順調に成長する可能性が高まります。

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しかし、もし推測が間違っていたとしても、悪いことにはなりません。

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つまり、

推測が間違っていようといまいと、ポジティブに過大評価方面にバイアスをかけて接すれば、子供が伸びる可能性は、高まる可能性はあっても、低くなることはないということです。

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❤︎ピグマリオン効果を生みだす無意識の力を意識的に

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学校での実験でピグマリオン効果を生みだすのは、

結局のところ先生から生徒への

"より暖かい社会情動的空気"

"インプットの増加"

"アウトプット機会の増加"

"特別なフィードバック傾向"

でした。

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だから、

こうした働きかけを意識的に行ってしまえば、

無意識のピグマリオン効果とは関係なく、

子どもを伸ばすために効果的な働きかけを実践できます。

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❤︎より暖かい社会情動的空気

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子どものことをポジティブに捉えて、

「きっとできる」と考え試行錯誤しながら相手をするということです。

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︎インプットの増加・アウトプット機会の増加

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子どもに様々な機会を与えることです。

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❤︎特別なフィードバック傾向

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子どもの様子を良く見て、子どもの状態に合わせたフィードバックを心がけるということです。

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こうした関わり方は、

「自分のことを良く考えてくれている」という態度が、子どもに伝わり、子供は親の愛を実感し、信頼を深め、自己肯定感を高めることができます。

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❤︎"親バカ"のすすめ

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結局のところ、

ピグマリオン効果の研究から見えてくるのは、

"親バカ"にふるまっておけば間違いが少ない!

ということです。

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❤アーガスの教室でも

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私たち、アーガス進学会では、

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暖かい空気。子どもたちのペースで、

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インプット。無学年、飛び級でドンドン進み、

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アウトプット。勉強した内容を話したり、書いたりしてもらい、

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フィードバック。自読考の学び方と内容習得の確認。

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を行っています。

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子どもたちは、

自分の力で読んで考え、理解できることで、自己肯定感を高め、苦労しながらも楽しく勉強に取り組んでいます。